何気なく三度見。
風呂上がりの長女がしれっと着ていた。
それは2003年。
鹿児島出身の和田博温氏、通称:秘剣さんが
手掛けた、焼酎のパイオニア的WEBサイト
「ひるね蔵酒亭」
当時はホームページが主流の時代。
本格焼酎のA〜Zをこのサイトで知り、
学んだ人も多かった時代が2003年にある。
客として訪れる池袋時代のカウンター。
芋の湯割りを2杯啜り、他の常連顔が赤らむ
前に、勘定を済ませるSTYLEを、常連達は
秘剣飲みと称していた。
常連客がとぐろ巻くや、屯所、一寸など
多くの語録が、池袋のカウンターで生まれた。
屯所オヤジとは?
そう。私の事であり、名付けは無論…。
秘剣さんであり、東京都内焼酎専門店が
ブームの勢いに乗り、多くの焼酎BARや
焼酎居酒屋が乱立していた時代であった。
都内6本柱のひと柱が、BETTAKOであった。
時代の流れが変われば、その時代に見合う
時代へと移り変わる。
古くから焼酎を専門的に扱い営む店は、
都内大御所諸先輩の店を含め、今では3軒ほど
しか東京には点在していない。
ただ並べ飾っているのではなく、
店独特の空気感の中、燗をつけられた酒器が
客の前に出される。
それは長きに渡り培った経験と、
その時代の味わいとなる表現に結び付ける
引用文章には無い、独創性的な知識など、
見様見真似では真似できない空観がある。
料理が旨いも当たり前。
お酒を上手く成すのも当たり前。
それこそ専門店ゆえのプレゼンテーション
であり、流行りに流されない、ブレぬ立ち
位置でもある。
そんな、当時のBETTAKOが10周年を迎え
その記念で作ったTシャツ。
古の思い出ではあるが、懐かしい一枚を
娘が着てレポートを纏めていた後ろ姿に、
当時の記憶が鮮明に蘇る夜でもあった。
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