BETTAKO -其の191-

木曜日から商いが再び始まる。

やはり…店に来てしまった。
厨房内だけ明かりを灯し、揃えた素材に
細かい拵え仕事を包丁で入れる。

客の声や音色の無い店の中。
大小異なる鍋に火をかけ、鍋の音色で
素材の入り図りは、音の無い方が
わかりやすく、自身には丁度良い。
使った道具はシンクに溜めるのではなく、
ひとつ仕事を終わらせる度に綺麗にする。
それは、次の仕事をする際に捗りやすい
からでもある。

厨房は人が見つめる舞台でもある。
2尺ちょい先に腰を下ろした客人達は
その日のネタを観れる恰好な場所。

舞台周りを小綺麗にしといて
越した事はない。

格子窓から見える外は水夜と変わり、
あともう一踏ん張りと…更に仕事を入れる
さぁー。
明日も程よく余力を残し頑張ろう…。

酒場BETTAKO

昭和56年創業。池袋東口で長きに渡り営み続けてきたBETTAKOは2017年12月に一度幕を下ろし、2018年2月JR板橋駅東口徒歩3分程、滝野川の路地裏で、本格焼酎・樽生ホッピー・数種の日本酒、日替り献立と共に静かに商わせて頂いております。尚、同じ屋号の酒場が御座いますが、当店とは無関係の酒場で御座います。店主敬具