BETTAKO -其の148-

商いの明かり灯す夕刻17時の滝野川。
皆が肘をつく、お店のカウンターは、
変わりゆく池袋東口の36年間の物語が
詰め込まれた檜一枚板である。
上は池袋時代のBETTAKOの写真

あえてこの土地では、焼酎の豹尾を見せず、
ひっそりと静かに営んでいる。

多忙な最盛期が過ぎる頃、大小問わず、
焼酎を醸す蔵元がお忍びで暖簾を潜る事がある。

薩摩半島、大隅半島、そして離島と、
自社が造る商品銘柄や、他社が造る商品銘柄達、
瓶の中で眠る、銘柄本来の個性を抽出して
欲しいと、メーカーさんらしい注文が入る
事もある。

BETTAKOは、甲類焼酎と乙類焼酎などの
日本の蒸溜酒が、主な専門分野である。
焼酎に関して質問や、味の抽出などを頼まれれば
頼まれた客人さんに、ちゃんと返答さる形を
常日頃からとっている。

時折…日本酒に対して質問される事がある。
専門分野外の酒類への質問への返答は、
恐れ入りますが、私の専門分野は焼酎でして、
日本酒などの知識は、それらの専門店に
お任せしております。
しかし、日本酒の銘柄において、個性を引き出し
てあげる、お燗はできますので何也と…。
そう日本酒な客人さんに返答している。

乙類焼酎は芋・麦・米・黒糖達で造られる。
日本酒はお米で造られる。
酒類異なれど、穀類で造られれば、
焼酎も日本酒も境界線はない。

瓶の中身は、個性をに満ち溢れている。
それを引き出してあげれば、お酒も喜んで
自分をアピールしようと、更に味が引き立って
くれる。
個人的見解ではあるが、日本酒が保つ個性を
引き出すお燗は、焼酎に比べて簡単な方だと
思っている。

何故、焼酎のお燗が難しいのか。
焼酎のアレやコレや、この場ではあえて
述べないようにします。
もし何故?をお聞きしたい様でしたら、
檜のカウンター越しに、ご質問くださればと
思います。

では皆さん、今週も北区滝野川で、ひっそりと
頑張らせて頂きます。

酒場BETTAKO

昭和56年創業。池袋東口で長きに渡り営み続けてきたBETTAKOは2017年12月に一度幕を下ろし、2018年2月JR板橋駅東口徒歩3分程、滝野川の路地裏で、本格焼酎・樽生ホッピー・数種の日本酒、日替り献立と共に静かに商わせて頂いております。尚、同じ屋号の酒場が御座いますが、当店とは無関係の酒場で御座います。店主敬具