献立の連番が、このところ続いた。
久しぶりに、もう1人の主人として綴る。
店の目の前に佇む家屋は板橋区。
店が佇む場所は北区。
車や人が行き交う信号機のある通りから
私道の路地裏でひっそりと営む。
大した事も特別な事もしている訳ではない。
ただ…。時折、焼酎を醸する人が
多々と暖簾を潜る晩もある。
L字のカウンター、ちょうど真ん中に
腰を下ろし、話の時を互いが待つのも
これまた心地よいものである。
焼酎を醸す人が訪れる…それというのは
それ相応の理由があってのこと。
焼酎を置けど、その捌き乏しい街で
営むというのは実に面白い。
肴で選ぶか、酒で選ぶか、雰囲気で選ぶか
どれか一つ、当て嵌まる軒端はあるが、
三つ巴の軒端は、見つけるのは難儀である。
焼酎に比べれば、日本酒はありがたい。
日本酒に比べれば、焼酎は上がり框が高い。
何気ない動きの中仕上げ、客人は何気なく
嗜む。人の心の中で、喜びと発見が伴えば
焼酎を醸す人であろうと、暖簾を潜れば、
古参も新参も私には関係なく、
芸のひと握りを裾分けできたことだけで、
主人として商い名利につきる。
新たな流行が訪れれば、この街の軒端も
また変わるのだろう…。
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