BETTAKO Laboratory file04

球磨郡湯前町。
妻の実家、人吉からくま川鉄道に乗り、
51分ほどで終着駅となる湯前駅に着く。
球磨郡湯前町の街並みにひっそりと佇む
ふたつの蔵元。ひとつは焼酎ブームの中、
dancyuで脚光を浴びた、豊永蔵を醸す
豊永酒造と、もうひとつは極楽という
銘柄を醸す林酒造場のふたつが佇んでいる。

3年前…。
豊永酒造が醸したゆ乃鶴をテーマに
BETTAKO Laboratory file01として解析
掲載した2020年3月31日でもあった。

今回、8月8日の球磨焼酎の日に合わせ、
S女史から託された、湯前町の常圧蒸溜の
極楽を少ない時間の中、ポテンシャルを

味わってみた。

微かな香ばしさと甘味が広がる余韻。
一酌は げにこよなきと人の云う味も
香りも酔いも極楽という一節がある。
林酒造場は江戸時代天和2年(1682年)に
創業された歴史のある蔵でもある。
 
341年守り続けて来た味わい、それは
極楽独特の米と水の相性によるものなのか、
それとも341年の時の歩みの中の味わい
なのかは、林酒造場の不思議な世界観に
包み込まれた直感の味わいでもあった。

ストレート時の解析。
Am:a-(bc+2)3.35(3.05mm)Kr:b-(1+ac)+3.25(2.99mm) At:b+(a-b2)3.15(3.23mm)

ある意味、味わいはストレートでも充分な
穏やかの中に、甘味の膨らみという
印象を覚えた銘柄でもある。
それは、極楽だけが持つ本来のポテンシャル
その抽出と探りにフォーカスを当てる為、
限られた時間の中で解析を行ってみた。

燗付け時の分析結果※4種の水を使用。
K1:Am:b+(a-b1)+m45.5%=(4.00mm) Kr:b-(b+2a=2c-a1)m42.0%=(3.65mm) At:b++(1b-2a)m49.5%(4.55mm)
N(L2):Am:c++(c1b)m38.5%=(4.05mm) Kr:b-(ac+1/b-a1)m50.5%=(4.30mm) At:ba2+c1)m52.5%=(4.65mm)
O(e):Am:a(c+1-1c)m40.6%=(4.45mm) Kr:b(b1+c2)m47.7%=(4.25mm) At:b(c+2-1b)m50.8%=(4.85mm)
M2/O(pg)Am:c(c1+1b)m50.5%=(4.15mm) Kr:c(bc2-bc1)m.51.0%=(4.60mm) At:b(b-1a)m49.5%=(4.89mm)
▪️Best M2=(O)m53.5%-60.5%=a+(b2-ab1)

【球磨焼酎】
地元、球磨地方古くから愛され続ける
銘柄達が今も引き継がれている。
妻の実家がある人吉は、常圧白の繊月、
常圧黒の峰乃露、減圧蒸溜の彩葉や舞繊月
など、常圧と減圧ではその飲み口異なれば、
価格帯も異なる。
武者返しや豊永蔵といった、一都を含む
大都市の飲食店が取り扱う銘柄は、実は
地元球磨地方、人吉市の地元の人達は、
居酒屋やスナック等、手軽にこよなく親しみ
のある銘柄達と、そうでない銘柄達の
感度差の開きは、地元特有の酒文化でもある。

そんな自然豊か球磨川流れる場所には、
28の球磨焼酎を醸す蔵が佇んでいる。
球磨焼酎という熊本を代表する日本の蒸溜酒。
その魅力を今もどう伝えれるのか、どうしたら
飲んでくれるのか…ただ直向きな葛藤の中で、
今もなお、試行錯誤を繰り返し歩んでいる。

感謝

酒場BETTAKO

昭和56年創業。池袋東口で長きに渡り営み続けてきたBETTAKOは2017年12月に一度幕を下ろし、2018年2月JR板橋駅東口徒歩3分程、滝野川の路地裏で、本格焼酎・樽生ホッピー・数種の日本酒、日替り献立と共に静かに商わせて頂いております。尚、同じ屋号の酒場が御座いますが、当店とは無関係の酒場で御座います。店主敬具